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温度ヒューズとは

温度ヒューズとは,電気機器の回路ショートや回路部品の故障などに起因する過電流によって生じる機器の発熱を感知し,回路を遮断する過熱保護部品である。(イメージ図1)

過熱保護部品としては,他にサーモスタットや正特性サーミスタなどがよく用いられる。これらは,通常起こり得る異常を感知し,その後の原因の除去と温度の冷却とともに機能が復帰するが,温度ヒューズは最終安全部品として位置づけられるように,火災に至る可能性のある重大な事故を確実に防ぐ目的で使用されるため,動作後に復帰することはない。

この点は電流ヒューズと同様であるが,作動形態が異なる。電流ヒューズは,過電流による自己発熱を利用してヒューズエレメントを溶断させ,回路を遮断させるが,温度ヒューズは内部抵抗が非常に低いので,電流による自己発熱は殆どなく,通常は周囲の温度上昇により可溶体が溶断し,開路するものである。

電流ヒューズでは保護できない範囲の,僅かな電流の増加でも,場合によっては,機器の温度は非常に上昇するので,温度ヒューズによる保護が必要となる。

温度ヒューズは電流ヒューズと異なり,一般消費者で取り替えられることは殆どないので,普段はなじみが薄いが,このように機器の過熱保護にはなくてはならないものである。

イメージ図1

温度ヒューズの原理

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